「テザリングってギガ、どのくらい消費するんだろう?」——外出先でパソコンをスマホのテザリングにつないだあと、気づいたら残りギガが激減していた、そんな経験をした方は少なくないはずです。
テザリングはカフェや移動中など、Wi-Fiのない場所でもインターネットが使えるとても便利な機能です。ただし、スマートフォンのモバイルデータ通信量を消費するため、使い方を誤るとあっという間に月のギガを使い切ってしまいます。
この記事では、テザリングでどのくらいのギガが消費されるのかを用途別に詳しく解説します。「思ったより減っていた」という事態を防ぐための節約術もあわせて紹介しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
テザリングのギガ消費はスマホ単体と基本的に同じ
まず前提として押さえておきたいのは、テザリングで消費されるデータ通信量は、スマートフォン単体でインターネットを使う場合と基本的に同じ仕組みだという点です。スマホのモバイル回線を「ルーター代わり」に使って他の端末をインターネットに接続するわけですから、接続している端末がどれだけデータをやり取りするかが、そのままギガの消費量になります。
ただし、一点注意があります。パソコンやタブレットは、スマートフォンと比べて画面サイズが大きく、表示する情報量も多くなる傾向があります。そのため、同じWebサイトを開いたり、同じ動画を視聴したりしても、パソコン経由のほうがデータ消費量がやや多くなりやすいのです。
また、パソコンにはユーザーが意識していないところで動いている「バックグラウンド通信」が多数存在します。Windows Updateやクラウドストレージの自動同期、ブラウザの拡張機能のアップデートなど、テザリングにつないだ瞬間から黙々とギガを消費し始めることがあります。これがテザリングで思わぬギガ減りが起きる大きな原因のひとつです。
つまり、テザリングのギガ消費は「スマホでの利用と同じ量+バックグラウンド通信の分」と考えておくのが現実的です。この認識を持っておくだけで、事前の対策が大きく変わります。
用途別のギガ消費量の目安
では、実際に各作業でどのくらいのデータ通信量がかかるのかを見ていきましょう。以下はあくまで目安ですが、プラン選びや使い方の見直しに役立ててください。
Webサイト閲覧:かなり軽め
テキスト中心のWebサイト閲覧は、データ通信量が非常に少ない部類に入ります。1GBあればおよそ3,000ページ分のWebサイトを閲覧できるとされています。普通の調べものや資料収集程度の利用であれば、ギガをそれほど気にしなくてよいでしょう。
ただし、画像や動画が多いサイト、広告が多数表示されるニュースサイトや通販サイトなどは消費量が増えます。「テキストが多いから大丈夫」と思いがちですが、ページ構成によっては意外とギガを食うこともあります。
YouTube動画視聴:画質設定で大きく変わる
動画視聴は、テザリング中のギガ消費に最も大きく影響する用途のひとつです。YouTubeを標準画質(480p)で視聴した場合、1時間あたりの消費量はおよそ130〜150MB程度が目安です。
一方、フルHD(1080p)の高画質設定にすると1時間で500MB〜1GB前後まで跳ね上がります。4K動画となれば、それをさらに上回ります。つまり、1GBのデータ量で視聴できる動画の長さは、標準画質で約6〜7時間、高画質では約1〜2時間という計算になります。テザリング中は、動画の画質設定を意識するだけでもかなりの節約になります。
Zoom・Web会議:思っている以上に消費する
リモートワークやオンライン授業で欠かせないZoomですが、テザリングで使う際は要注意です。ビデオありのビデオ通話を1時間行うと、スマートフォンで約438〜460MB、パソコンでは約522MB程度消費するという計測データがあります。つまり1GBあたり約1.7〜2時間分しか持たない計算です。
音声のみ(カメラオフ)に切り替えると消費量は大幅に減り、1時間あたり約100MB程度に抑えられます。会議中にカメラをオフにするだけで、ギガの消費量を約4〜5分の1に節約できるわけです。「テザリングでのWeb会議はカメラオフが基本」と覚えておくと、月末のギガ切れ問題がかなり緩和されます。
音楽ストリーミング:こまめに積み重なる
SpotifyやApple Musicなどの音楽ストリーミングサービスも、気づかないうちにギガを消費しています。標準音質(約128kbps)であれば1時間あたり約60MB程度ですが、高音質設定(320kbps)では約150MBほどになります。作業BGMとして長時間流しっぱなしにしていると、1日で数百MBが消えてしまいます。
ファイルのダウンロード・アップデート:一撃で数GBも
これが最も危険な消費パターンです。OSのアップデートファイルは数GB単位になることが珍しくなく、アプリのアップデートもゲームアプリなどは1回で500MB〜1GBを超えることがあります。テザリングにパソコンをつないだ直後に自動ダウンロードが始まっていた、というのはよくあるトラブルです。ファイルのダウンロードやソフトウェアのアップデートは、Wi-Fi環境に戻るまで必ず後回しにする習慣をつけましょう。
月にどのくらい使う?シーン別の目安ギガ数
「用途別の数字はわかったけど、月にトータルでどれくらい必要なの?」という疑問も当然出てきます。テザリングの利用スタイル別に、必要なデータ通信量の目安をまとめてみました。
軽い使い方(メール・資料閲覧中心):月2〜3GB
メールの送受信、テキスト中心のWebサイト閲覧、LINEでのやりとりなど、動画や大容量ファイルを扱わない作業がメインであれば、月2〜3GBで十分足りるケースが多いです。出張の多いビジネスパーソンが資料確認やメール処理のためにテザリングを使う、といったシーンがこれにあたります。この程度の使い方であれば、現在のほとんどのスマホプランの容量で十分対応できるでしょう。
中程度の使い方(動画や会議を時々使う):月5〜10GB
週数回のZoom会議や、移動中のYouTube視聴なども含む場合は、月5〜10GBを目安に考えておくと安心です。普段は自宅のWi-Fiを使い、外出先でたまにテザリングを活用する、という方が多いのではないでしょうか。このゾーンが日本人のテザリング利用者にとって最も現実的なゾーンかと思います。余裕を持ちたいなら、ドコモのサブブランドであるahamoの大盛りオプション(月110GB・2,970円)なども視野に入ってきます。
ヘビーな使い方(動画・会議を頻繁に使う):月15〜20GB以上
毎日のようにZoom会議をこなし、移動中もHD動画を視聴するといったヘビーユーザーの場合、月15〜20GBでも足りなくなることがあります。この使い方であれば、データ使用量を気にしながら節約し続けるよりも、プラン自体を見直したほうがストレスも少なく、結果的にコスパもよくなるケースが多いです。後述しますが、楽天モバイルのようなデータ無制限プランや、ahamoの大容量プランを検討する価値が十分あります。
テザリングを快適に使えるおすすめプラン
ギガ消費の目安がわかったところで、「そもそも今のプランで足りているのか?」と感じた方もいるはずです。ここでは、テザリングを積極的に活用したい方に特におすすめしたい2つのプランを紹介します。
楽天モバイル:データ無制限でテザリングし放題
テザリングをとにかくたくさん使いたい、ギガの残量を気にしたくないという方に真っ先におすすめしたいのが楽天モバイル(Rakuten最強プラン)です。最大の特徴はデータ通信量が無制限である点で、どれだけテザリングで使っても追加料金は発生しません。
料金は使用量に応じて変わる段階制で、3GBまでなら月980円(税込1,078円)、20GBまでなら月1,980円(税込2,178円)、それ以上はどれだけ使っても月2,980円(税込3,278円)という上限があります。つまり、テザリングで50GBや100GB使っても月3,278円を超えることがありません。
筆者個人的には、外出先でPCを頻繁に使う方や、フルリモートワーク中心の方にとって、これほど安心感のあるプランはなかなかないと思います。ただし、楽天回線エリアの外(パートナー回線)では月5GBまでの制限があるため、地方や山間部への移動が多い方は事前にエリアを確認しておきましょう。
ahamo大盛り:月110GBでドコモ品質のテザリング
「楽天のエリアに不安がある」「ドコモ回線の安定感は譲れない」という方には、ahamo(大盛りオプション)が有力な選択肢です。ahamoはドコモのサブブランドで、基本プランの20GBに大盛りオプション(+1,980円)を加えると、合計110GBまで使えて月4,950円(税込)という大容量プランになります。
テザリングも追加料金なしで利用可能で、ドコモの広大な4G/5Gエリアをそのまま使えるのが大きな強みです。月110GBあれば、Zoom会議を毎日数時間こなしながらYouTubeも楽しんでも、よほどの使い方をしない限り上限に達することはほぼないでしょう。
楽天モバイルと比べると無制限ではありませんが、ドコモ回線の品質と110GBという大容量を月5,000円以下で使えるのは、コストパフォーマンスとして非常に優秀です。安定した通信品質を重視しながらも、テザリングをがっつり活用したい方に向いています。
知っておきたい「見えないギガ消費」の正体
テザリングで思ったよりギガが減っている場合、多くのケースでその原因は「見えないバックグラウンド通信」にあります。ここではその代表的なものを紹介します。
Windows Update・macOSアップデート
WindowsやmacOSの自動アップデートは、タイミングによっては数GBのデータを黙ってダウンロードしていることがあります。テザリング接続直後にアップデートのトリガーが引かれてしまうと、あっという間にギガを消費します。Windowsでは「従量制課金接続」という設定をすることで、優先度の低いアップデートのダウンロードを抑制できます。
クラウドストレージの自動同期
OneDriveやDropbox、iCloud、Google Driveなどのクラウドストレージは、ネットに接続すると自動的にファイルを同期しようとします。写真やドキュメントが大量にある場合、このバックグラウンド同期だけで何百MBもの通信が発生することがあります。テザリング中は自動同期を一時停止しておくことを強くおすすめします。
ブラウザのプリフェッチ・タブの自動更新
Chromeなどのブラウザは、ユーザーが開く前にページをあらかじめ読み込む「プリフェッチ」という機能を持っています。また、開いたままにしているタブが自動的に内容を更新し続けることもあります。これらは意識しないとじわじわとギガを消費し続けます。
アプリの自動アップデート
スマートフォン側でも、テザリング中にアプリが自動アップデートされると大量のギガが消えることがあります。特にゲームアプリはアップデートのたびに数百MB〜1GBを超えることもあります。iPhoneなら「設定→App Store→自動ダウンロード」でモバイルデータを使ったアップデートをオフにしておきましょう。
テザリングのギガ消費を抑える節約術
ここからは、具体的にギガ消費を抑えるための設定と方法を紹介します。スマートフォン側とパソコン側の両方からアプローチすることが大切です。
【iPhone】省データモードをオンにする
iOSには「省データモード」という機能があり、オンにするとアップデートやバックグラウンド同期が一時停止され、データ使用量を効果的に抑えられます。設定方法は「設定」→「モバイル通信」→「通信のオプション」→「省データモード」をオンにするだけです。テザリング中は常にこれをオンにしておく習慣をつけると、無駄なギガ消費を大幅に削減できます。
【Android】データ通信量の上限を設定する
Androidでは、1ヶ月あたりのデータ通信量に上限を設定し、それを超えそうになったら警告を出したり自動的にデータをオフにしたりする機能があります。「設定」→「ネットワークとインターネット」→「データ使用量」から設定できます。上限が近づいたタイミングで教えてくれるので、月末のギガ切れを防ぐのに非常に有効です。
【Windows】従量制課金接続に設定する
Windowsでテザリングを使う場合は、接続したWi-Fi(テザリング)を「従量制課金接続」として設定しましょう。設定手順は「設定」→「ネットワークとインターネット」→「Wi-Fi」→接続中のネットワーク名→「従量制課金接続として設定する」をオンにするだけです。この設定をすると、Windows Updateの自動ダウンロードが抑制され、OneDriveなどの同期も制限されます。
【Mac】省データモードを活用する
macOS Ventura(13)以降のMacでは、Wi-Fiごとに「省データモード」を設定できます。「システム設定」→「Wi-Fi」→テザリングのネットワーク名→「詳細」→「省データモード」をオンにすることで、HDRコンテンツのストリーミング品質の低下や自動バックアップの停止など、データ消費を抑える設定が一括で適用されます。テザリングのSSIDに対して毎回この設定をしておくと安心です。
動画の画質を手動で下げる
YouTubeなどの動画サービスは、通信環境に応じて自動的に画質を設定しますが、4G/5G環境では高画質が選ばれてしまうこともあります。テザリング中は手動で480pや360pに下げることで、同じ視聴時間でも消費ギガを半分以下に抑えることができます。「少し画質が荒くなるくらいは許容できる」という場面では積極的に活用しましょう。
使わないときはテザリングをこまめにオフにする
テザリングをオンにしたまま放置すると、パソコンがバックグラウンドで通信し続けることがあります。作業が終わったら必ずテザリングをオフにする習慣をつけましょう。また、複数のデバイスが接続している場合、自分が使っていないデバイスもギガを消費している可能性があるため、接続デバイスを確認することも大切です。
テザリングのギガ消費をリアルタイムで確認する方法
節約の効果を確認するためにも、実際にどのくらいのギガを使っているかをリアルタイムで把握しておくことが重要です。
スマートフォンの設定アプリから確認する
iPhoneなら「設定」→「モバイル通信」から、アプリごとのデータ使用量が確認できます。Androidでも「設定」→「ネットワークとインターネット」→「データ使用量」で同様の確認が可能です。月の途中でこまめに確認しておくと、使いすぎているアプリや意外なギガ消費源に気づけます。
キャリアの公式アプリを活用する
ドコモの「My docomo」、auの「My au」、ソフトバンクの「My SoftBank」、楽天モバイルの「my楽天モバイル」など、各キャリアには専用アプリが用意されています。これらのアプリではリアルタイムに近いデータ残量が確認できるため、外出前や長時間作業の合間にチェックする習慣をつけると安心です。
Windowsのデータ使用状況から確認する
パソコン側でも、Windowsなら「設定」→「ネットワークとインターネット」→「データ使用量」から、接続ごとの通信量を確認できます。どのアプリがどのくらい通信しているかも一目でわかるため、バックグラウンド通信の実態を把握するのに役立ちます。
まとめ
結論として、テザリングのギガ消費量は「何をするか」によって大きく異なります。
用途別の目安をおさらいすると、Webサイト閲覧は非常に少なく1GBで3,000ページ分。YouTube動画は標準画質で1時間あたり約130〜150MB、高画質では500MB〜1GB前後。Zoom(ビデオあり)は1時間で約500MB前後、音声のみなら約100MBに抑えられます。そしてファイルのダウンロードやOSアップデートは、一発で数GBを消費する可能性があります。
月間の必要ギガ数は、軽い使い方で2〜3GB、中程度で5〜10GB、ヘビーユーザーは15〜20GB以上が目安です。思わぬギガ消費の主な原因はバックグラウンド通信であり、Windows Updateの自動ダウンロードやクラウド同期がサイレントにギガを消費していることが多いです。
節約のポイントは、iPhoneの省データモード、Windowsの従量制課金接続設定、Macの省データモード、クラウド同期の一時停止、そして動画画質の手動設定の5つが特に効果的です。それでも毎月ギガが足りなくなるようであれば、データ無制限の楽天モバイルや月110GBのahamo大盛りへのプラン変更も積極的に検討してみてください。テザリングは正しく使えば非常に心強い機能なので、今回紹介した設定と習慣を取り入れて、ギガを賢くコントロールしてください。

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